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2026.7.30徒然に、、、

社会保険をめぐる報道から、保険代理店経営の責任を考える

先日、日本経済新聞の一面で、ある生命保険代理店の「社会保険潜脱」に関する記事が掲載されました。
近年、保険業界では、代理店への便宜供与、不適切な保険金請求、情報管理上の問題など、信頼を揺るがす事案が相次いで報じられています。
今回の記事も保険業界に身を置く一人として、非常に複雑な思いで記事を読みました。
当初は推移を見守ろうと思っていました。しかし日が経つにつれ、「やはり発信しておくべきだ」と思うようになりました。
正直に言えば、我慢ができませんでした。


私は世の中を変えたいとか、保険業界を改革したいなどという大それた考えはありません。
30代前半でこの業界に飛び込み、多くのお客様や仲間、保険会社の皆さんに支えられながら仕事を続けてきました。
この仕事で子どもたちを育て、住宅ローンも返済しました。
だからこそ、この業界には感謝しています。
感謝しているからこそ、育ててもらった業界には、胸を張れる業界であってほしい。
子どもや妻、親しい友人から、「そんなモラルの低い業界で仕事をしているのか。」
そう思われることが、私は何より辛いのです。


実は、株式会社FPSも最初から胸を張れる会社だったわけではありません。
2008年の設立当初は、当時の業界では珍しくなかった「再委託型」の代理店でした。
ところが2014年頃、その運営は適切ではないことを知ります。
そこでFPSは2014年6月、募集人全員を雇用化し、社会保険についても、法令に従い、実際に支給する報酬を適切に届け出る体制へ変更しました。

そこには、大きな痛みを伴いました。
「他の代理店はそこまで厳しくやっていない。」「なぜ今すぐ変えないといけないのか。」
そう言って複数の募集人が退職し、他の代理店へ移っていきました。
経営的には苦しい決断でした。
しかし、それでも「正しくあること」を選びました。


だから今回の報道を見て、私が最も驚いたのは、
「まだ続いていたのか。」
ということでした。

2017年3月には、厚生労働省と金融庁が連名で、保険業界関係団体に対し、厚生年金保険および健康保険に関する届出の適正化を求める文書を発出しています。
この文書では、賃金、給与、手当など名称を問わず、労働の対償として受けるものを適切に報酬として届け出ることなどが求められました。
※文書名「厚生年金保険法等に基づく届出の適正化の徹底について」
 発出日:平成29年(2017年)3月28日
 文書番号:年管管発0328第5号・金監第632号
当時、この文書は業界に大きな衝撃を与えました。
この問題は、今回初めて指摘されたものではなく、すでに2017年の段階で、関係省庁から適正化が求められていたということです。


今回報道された代理店については、今後どのような対応になるのか分かりません。
仮に過去の届出に不適切な点が認められた場合、会社負担分や従業員負担分、退職者への対応など、資金面や処分など、さまざまな問題が生じる可能性があります。
しかし、その点について私はここで論じるつもりはありません。
行政や関係機関が判断すべきことだからです。


私が申し上げたいのは、ただ一つ。
経営者の責任は極めて重いということです。
「知らなかった。」
「昔からこうだった。」
では済まされません。
ルールを守るかどうかを決めるのは経営者です。

また、保険会社にも、所属する代理店において法令や委託契約に沿った適切な業務運営が行われるよう、教育・管理・指導を行う役割があります。
今回の報道を契機に、代理店と保険会社の双方が、それぞれの管理態勢をあらためて確認する必要があると感じています。


今、業界全体で管理コストは上がり続けています。
募集品質の向上。
顧客本位の業務運営。
コンプライアンス。
情報管理。
社会保険。
どれも必要なことです。

一方で、仮にルールを十分に守らない事業者が、必要な管理コストを負担することなく利益を上げる構図があるとすれば、それは決して健全とは言えません。
もちろん、今回報道された代理店だけを責めても何も変わりません。
業界全体の問題として受け止める必要があります。


保険という仕事は、人の人生に寄り添う仕事です。
万一の時、病気になった時、相続が起きた時、保険はお客様の人生を支える大きな力になります。
その保険に携わる私たち自身が、社会保険と言うルールを軽んじていては、お客様の信頼を得られるはずがありません。

私はこの業界が好きです。
保険募集人やファイナンシャルプランナーと言う仕事が、子供たちの憧れの職業になることを今でも夢に見ています。

FPSも決して最初から完全体だったわけではありません。間違いに気づき、痛みを伴いながら修正してきました。だからこそ、今回の件も誰かを断罪したいのではなく、業界全体が「正しい方向へ前進する」きっかけになればと切に願っています。
(FD00346)

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