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2026.1.27徒然に、、、

問題は報酬制度でも、自由裁量でもない・・・生命保険という仕事の“矜持”について

23日に行われた、ある生命保険会社の記者会見。
その内容に対するネット上の批評を眺めていて、いくつか気になる言葉がありました。

「報酬制度」
「自由裁量」

今回の件の原因を、そこに求める論調です。
正直に言えば、私はそこに違和感を覚えました。

私は30代前半、フルコミッションに希望を抱いてこの業界に入りました。
この仕組みの強みや危うさは、痛いほど分かります。

私自身、入社当初は数字を挙げ、周囲からも注目されました。
しかし半年ほどで失速し、いわゆる“地獄”を見ました。
その時、幸いにも「お客様のお金をどうにかしよう」などという発想には至らず、ただただ自分の非力さを思い知らされました。

それでも離れずにいてくださったお客様がいた。
その存在が、私の中で「感謝」という感情を強く育ててくれました。
結果として25年以上、この業界に身を置くことができています。

この業界に育ててもらい、家族を養うこともできた。
だからこそ私は、生命保険業界に感謝していますし、
同時に、より良い業界であってほしいと心から願っています。

現場では時折、
「宇都さんに任せます。私にとって良いと思うものを持ってきてください」
と言われることがあります。

営業パーソンとして、これほど冥利に尽きる言葉はありません。
一方で、それが不正の温床になりやすいのも事実です。

特に生命保険は、損害保険と違い「正解」が一つではありません。
自動車保険であれば、複数契約しても車の価値以上は出ない。
しかし生命保険は、遺族の生活費だけで終わらない。
経営者として、株主として、借入の有無、資産背景、相続対策——
一人の方に10億円を超える保険金をかけることも、決して珍しくありません。

膝と膝を突き合わせ、じっくり話を聞き、
ご本人も気づいていないリスクを顕在化させていく。
これは生命保険パーソンの醍醐味であり、誇りでもあります。

だからこそ私は、
「報酬制度が悪い」「青天井が悪い」とは思いません。

国内生保各社も、戦後から同じ仕組みで市場を拡大してきました。
高い報酬があるからこそ、責任を持ったフォローができ、
学びへの自己投資ができ、富裕層と同じ目線で悩みを共有できる。

問題は制度ではありません。
問題は、売れなくなった時です。

「あの人、昔はすごかったのに…」
そんな空気に耐えられず、道を踏み外す風土がもしあったのなら、
それは制度の問題ではなく、企業カルチャーの問題です。

「売っている人が偉い。売っていない人には発言権すらない」
不動産業界でも、水商売でも、似た風潮はあります。
その中で、
「保険を売ることが目的なのか」
「目の前のお客様を、将来にわたって守り続けることが目的なのか」
何にコミットしているのかが問われます。

自由裁量についても同じです。

FPSでも、全員が集まるのは週1回の朝礼と月初会議だけ。
平日昼間、誰がどこで何をしているか、正直すべては分かりません。
それを制度で縛ろうとも思いません。

平日に経営者とゴルフに行く。
夕食をご一緒する。
数日間研修に没頭する。
特別な利益供与がない限り、それは仕事の一部です。

ただし、自由には必ず責任が伴います
自由とは「何をしてもいい」ことではなく、
自分を律せる人だけに許されるものです。

お金の使い方。
お客様との距離感。
コンプライアンス意識。

それを自分の管理下に置けていない人が、
自由を語ってはいけない。

これは、30代前半の自分への大きな反省でもあります。
今振り返ると、恥ずかしい振る舞いをしていた時期もありました。
だからこそ、偉そうに語るつもりはありません。

今回の件をきっかけに、
「生命保険パーソン=悪」
「青天井の報酬制度=悪」
「自由度が高い=悪」
そんな短絡的な見方が広がらないことを願っています。

一方で、当局は再発防止の名のもと、
何らかの形で形態変容を求めてくるでしょう。

それでも、本当に分かっている保険パーソンは、
この仕事の矜持だけは、決して手放さないはずです。
(FD00242)

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