NEXUS NEXUS

コラム / セミナー案内

COLUMN / SEMINAR

イラスト
雲のイラスト
イラスト
雲のイラスト
雲のイラスト

2024.06.24

ブログ

前回は、どんな生前贈与が特別受益になるかを解説させて頂きました👍
今回は、どんな生前贈与だったら特別受益とならないのかについてであります😄

特別受益に当たらない生前贈与

相続人以外への贈与や遺贈

特別受益の対象は、原則として相続人に限られるのであります😀
ですので、
相続人以外の人が、亡くなった人(被相続人)から生前に財産を受け取っていたとしても、それは特別受益とはみなされないのであります。

ただし、相続人以外の人への贈与が相続人の遺留分を侵害しているような場合、相続人はその人に対して遺留分侵害額請求を行うことができます。
遺留分とは、相続人が最低限受け取るべき相続分のことでした。(ブログ👉 「遺留分」とは をご参照くださいませ👍)
この遺留分を侵害するような贈与が行われた場合、相続人の方はその侵害された分を請求することが可能です。(可能なだけですからね😲)

相続人でない孫への教育資金の贈与は、本来は特別受益には該当しません。 ところが、状況によっては、このような贈与が「実質的に子(相続人)への特別受益」として考慮されることがある。とのことであります。例えば、孫への教育資金の贈与が、実際にはその親(相続人)の負担を軽減する目的で行われていた場合、この贈与は特別受益とされる可能性がありますので注意しておいた方がよさそうです。

 

生命保険金や死亡退職金

 

一般的に生命保険金死亡退職金は、特別受益に含まれません。 これらは、被相続人が生前に加入していた保険会社との契約に基づいて、被相続人の死亡を理由として保険会社や雇用主から支払われるお金です。つまり被相続人が生前に所有していた財産ではないので、受取人が相続人であっても、これらの金銭は受取人固有の財産として扱われると言う訳であります。(これを「みなし相続財産」というのであります😄)

ただし、死亡保険金を受け取った相続人と、その他の相続人との間で取得額に極端な差があったり著しく不公平な場合には、特別受益とみなされる可能性があります。「相続人間のバランスなどから総合的に判断される!!」 がポイントって解説しましたね。

 

👉ちなみになる話①(最高裁第2小法廷平成16年10月29日判決)

被相続人を保険契約者及び被保険者とし、共同相続人の1人又は一部の者を保険金受取人とする養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権は、民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないが、保険金の額、この額の遺産の総額に対する比率、保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人との関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、特別受益に準じて持戻しの対象となる。
(引用:裁判所HP「最高裁第2小法廷平成16年10月29日判決 裁判要旨」)

 

おしどり贈与【婚姻期間が20年以上の配偶者への居住不動産の贈与】

おしどり贈与とは、婚姻期間が20年以上の配偶者への居住用不動産や住まいを購入するための資金の贈与に関する贈与税の非課税制度のことでしたね😀
この制度、贈与税の基礎控除額110万円の他に、プラスして2,000万円までが非課税になるのでした。

通常、配偶者への贈与は特別受益に該当する可能性があります。しかし!! おしどり贈与については、2019年7月1日以降に施行された改正民法により、特別受益として持ち戻す必要がなくなりました。(民法903条第4項)これは、長年連れ添った配偶者への贈与は、遺産分割において公平性を損なわないと考えられるためであります。

第903条
 婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。

 

ただし、おしどり贈与が他の相続人の遺留分を侵害している場合は、遺留分の算定におしどり贈与分も含める必要があります。
この遺留分を守るためには、おしどり贈与も考慮する必要があるのです。

 

特別受益の持ち戻し免除(被相続人の意思表示がある場合)

特別受益の持ち戻し免除とは、被相続人が生前に意思表示を行うことで、特別受益を相続財産に含めずに遺産分割を行うことができる制度です。
これは民法903条第3項に定められているのであります。

第903条
 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。

持ち戻し免除の意思表示には特段の形式は定められておりませんが、一般的には「遺言書」にその旨を記載することが多いです。これにより、被相続人の意向に沿って、特別受益を持ち戻さずに遺産分割を行うことが可能になります。

ただし、特別受益が他の相続人の遺留分を侵害している場合、持ち戻し免除の意思表示があっても、遺留分侵害額請求は可能です。

 

特別受益は遺留分の対象となる

遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人(配偶者、子ども、親など)が最低限受け取るべき相続分のことです。例えば、配偶者や子どもは法定相続割合の半分を受け取る権利(遺留分)があり、これは遺言によっても変更できません。もし遺留分に相当する財産を受け取れない場合は、「遺留分が侵害されている」とみなされ、侵害された遺留分は請求できます。
これを「遺留分侵害額請求」と言うのでしたね。

遺留分を計算する際には、相続財産だけでなく、相続人が過去10年以内に受けた特別受益も考慮に入れることができます。

 

次回、「特別受益 part

特別受益があるときの計算の具体例について ご期待ください!!

NEXUS

家族や資産の大切な繋がりを尊重し、
安心感溢れる円満な相続をサポートする
プロフェッショナル集団です。