コラム / セミナー案内
COLUMN / SEMINAR
2024.01.07
コラム 民法関連
相続を知ってから3年以内に申請が義務化
2024年4月1日から、相続や遺贈により不動産を取得した相続人に対し、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に所有権の移転の登記の申請をすることが義務付けられます。近年、土地や建物の相続登記がされないために所有者が不明となった土地や建物が、防災・減災、まちづくりなどの公共事業の妨げになっていることが社会問題となっています。この解決を図るため、法律が改正されました。
ところが法務省が昨年12月26日に公表したこの制度の認知度は「全く知らない」「よく知らない」と答えた人が67%にのぼっています。
また申請しない場合には過料の規定があることについておよそ8割は知らなかったそうです。相続人が多数である場合を除き、3年以内に登記をしないと10万円以下の過料が科せられる場合があります。
ここで言葉の分解です。相続財産の中に不動産があることを知らない場合や、相続財産の中に不動産があることを知っていても、どこにあるか分からないような場合は、「所有権を取得したことを知る」に当たりません。従って登記の申請義務は生じません。ただ遺産分割協議の成立前だということだけでは申請義務が生じることになってしまいます。法定相続分の割合で不動産を取得しているとみなされるからだそうです。
制度が開始される24年4月より前に相続した場合も対象となります
2024年4月1日より以前に相続が開始している場合も、3年の猶予期間はありますが、義務化の対象となることに注意が必要です。相続財産の中に不動産がある場合には、早めの遺産分割協議と登記の申請をすることが肝要です。
特に法定割合通りの分割でなかった場合、相続登記では遺産分割協議書を作成する必要がありますので、文面に起こした際に「口頭で約束した内容と違う!!」と相続人の間でもめごとになることも考えられます。
もめごとを避けるためには、早めに相続人間で協議を行い、合意した遺産分割協議書を可及的速やかに書面化することです。
家族や資産の大切な繋がりを尊重し、
安心感溢れる円満な相続をサポートする
プロフェッショナル集団です。