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2024.07.13
ブログ
【特別受益 難易度 ★★★★☆】今回で「特別受益」については一旦終わろうと考えているのであります😅
とは言うものの、特別受益については非常に厄介。
なので、その都度都度でブログで取り上げて行きたいなぁ~と思っています💜
では今回は計算例を中心に解説してまいります👍
特別受益があるときの計算を具体例で解説
特別受益がある遺産分割の計算方法
特別受益を受けていない人の相続分と、特別受益を受けた人の相続分の計算方法は以下の通りであります。
● 特別受益を受けていない人の相続分
=(相続財産+特別受益)×法定相続分
● 特別受益を受けた人の相続分の計算方法
=(相続財産+特別受益)×法定相続分-特別受益
たとえば、被相続人には、配偶者と子ども2人がいるケースで見てみたいと思います。(ふむふむ🤔)
相続財産の総額が1億円で、子どもAが生前に被相続人から特別受益として3,000万円の贈与を受けていたケースです。
この場合は、相続財産に特別受益を加えた総額は1億3,000万円となります。法定相続割合は???
配偶者が1/2、子ども2人がそれぞれ1/4となります。(この辺までは大丈夫ですかね😉)
特別受益を受けていない人(今回の場合、配偶者と子どもB)の相続分は以下のように計算していきます。
- 配偶者の相続分 =(1億円+ 3,000万円) × 1/2 = 6,500万円
- 子どもBの相続分 =(1億円+ 3,000万円) × 1/4 = 3,250万円
一方で、特別受益を受けていた子どもAの相続分はと言いますと、、、
- 子どもAの相続分 =(1億円+ 3,000万円) × 1/4 - 3,000万円= 250万円
この場合、子どもAは特別受益として3,000万円をすでに受け取っていると考えますので、相続分からその額を差し引いた後の、250万円のみ相続することになるのであります。
特別受益がある遺留分侵害額の計算方法
たとえば、被相続人に配偶者と子ども2人がいるケースで考えます。
相続財産の総額が3,000万円で、子どもAが生前に被相続人から特別受益として9,000万円の贈与を受け取っていたとします。
この場合、相続財産に特別受益を加えた総額は1億2,000万円です。
配偶者と子Bの遺留分割合は、それぞれ1/4(1/2×1/2)と1/8(1/4×1/2)となります。(この辺も大丈夫ですよね😉)
- 配偶者の遺留分 =(3,000万円+ 9,000万円) × 1/4=3,000万円
- 子どもBの遺留分=(3,000万円 + 9,000万円) × 1/8= 1,500万円
つまり、配偶者と子Bが3,000万円と1,500万円を受け取れていなければ、遺留分が侵害されている状態だと言う訳であります。
特別受益を受けていない人(配偶者と子どもB)の相続分は以下のように計算されます。
- 特別受益を受けた子どもAの相続分=(3,000万円 + 9,000万円) × 1/4 - 9,000万円 = 0円
- 特別受益を受けていない配偶者の相続分 =(3,000万円 + 9,000万円) × 1/2= 6,000万円
- 特別受益を受けていない子どもBの相続分 =(3,000万円 + 9,000万円) × 1/4 = 3,000万円
しかし、実際に相続財産は3,000万円なので、配偶者と子どもBが受け取れる実際の取得額は、それぞれ2,000万円と1,000万円
(相続財産額3,000万円を配偶者と子どもBで、2:1の割合で按分する)しかありません。
これは、配偶者と子どもBの遺留分 3,000万円と1,500万円に満たない額であり、それぞれ1,000万円と500万円の遺留分が侵害されている状態です。
つまり、配偶者は子どもAに対して1,000万円、子どもBは子どもAに対して500万円の遺留分侵害額請求を行うことができます。
わぁ~ だんだんややこしくなってきました~💦
👉ちなみになる「遺留分を計算する時の特別受益」の話
遺留分計算をする際においては、特別受益に含まれる生前贈与は、相続開始前から10年以内のものに限られているのであります。
相続開始前10年の間になされた生前贈与のみが原則持ち戻しの対象となります。10年以上前の古い贈与は遺留分侵害額請求の際の基礎財産に加算しないのであります。
一応念のため① 遺産分割協議では特別受益に時効はありませんよ😄 なので、何の話をしているのかしっかりと区別して考える必要があるのであります😄😄
一応念のため② 令和5年4月1日に施行された法改正により、相続が開始してから10年を経過した場合には、特別受益を主張できなくなりました。相続開始後10年以内に遺産分割が終わらず、家庭裁判所に遺産分割の調停等を申立てもしていなければ、特別受益は認められなくなっています。
一応念のため③ 特別受益(生前贈与)は相続税の課税対象とはなりません。ですので、相続税を計算する際に特別受益を考慮する必要はありません😄
👉ちなみになる「特別受益Q&A」大阪市のホームページはこちらから 大阪市ホームページPDF
👉ちなみになる「特別受益Q&A」の話
Q: 特別受益にあたる生前贈与のうち「生計の資本のための贈与」とは何のことですか?
A: 生計の資本のための贈与には、生計が別の成人した子に対して贈与した生活費、家を建てるための新築費用、新規事業の開業資金、有価証券や不動産なども含まれます。また、土地や建物の無償使用も特別受益に該当する場合があります。これらの贈与は、被相続人の経済状況や他の相続人との格差などバランスを考慮して、「遺産の前渡し」と言えるかどうかを基準に判断されます。
Q: 特別受益があっても持ち戻しせずに遺産分割を決めることはできますか?
A: はい。被相続人が生前に指示した場合、「特別受益の持ち戻し免除の意思表示」によって、特別受益があっても持ち戻しなしで遺産分割を決めることが可能であります。
持ち戻し免除の意思表示は、一般的に遺言書に記載するのであります。遺言書に特別受益の持ち戻し免除の意思表示について明確に記述しておくことで、特別受益を含めずに遺産分割を行うことになります。ただし、特別受益が他の相続人の遺留分を侵害している場合には、持ち戻し免除の意思表示があっても遺留分侵害額請求が可能(可能なだけ)であります。
Q: 特別受益の主張はどのような流れで行われますか?
A: 特別受益を主張したい場合は、以下のような流れで行われるのが一般的だそうです。
①遺産分割協議: まずは、相続人間で遺産分割について協議を行います。この段階で特別受益を認め、遺産分割に合意できれば、遺産分割協議書を作成します。
②家庭裁判所の調停: 協議で合意が成立しない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停の申立てを行って、特別受益を主張します。調停委員を介して話し合いを行い、合意となれば調停成立となります。
③家庭裁判所の審判: 調停で合意ができない(調停不調の)場合は、審判に移行します。裁判所が特別受益の有無などを考慮して遺産分割の方法を判断します。
④高等裁判所の審判: 審判の判断に不服がある場合には、審判の告知を受けた翌日から2週間以内に高等裁判所に即時抗告の申立てを行います。高等裁判所は審判を却下、棄却、または取消すことを審理します。
特別な場合を除き、特別受益の確認を求める民事訴訟は行えません。
Q: 特別受益の証拠集めですが、どのようなものが必要なのでしょうか?
A: はい。 色々と調べましたのでお答えします。特別受益の証拠集めには、以下のような客観的な証拠が必要です。
- ● 預貯金の通帳や残高証明書:故人(被相続人)の金融資産の動きを確認するため。
- ● 登記簿:不動産の所有権移転や無償貸与の記録を確認するため。
- ● 不動産の査定書:不動産の価値を客観的に評価するため。
- ● 贈与・売買・賃貸の契約書:金融資産や不動産の取引内容や履歴を確認するため。
特別受益に該当するかどうか?
通常、大きな金額の贈与が行われたかどうかがポイントであります。小さな額の移転ですと特別受益にならないことが多いとのことですので、大きな金額の動きを中心に証拠を集めることが重要となるのだそうです。
特別受益は、公平な遺産分割を実現するための極めて重要な制度です。
なのですが、逆に相続争いを引き起こす要因にもなり得ます😲(逆に~ってなんやねんって感じであります)
特別受益の存在が判明した場合は、それを主張したり証明するには、めちゃくちゃ多大な時間と労力が必要となることがあります。
さらに、どのような贈与が特別受益に該当するかを判断するのはとても難しい場合が多く、専門的な知識が求められます。
特別受益に関する争いは、家族間の信頼関係を棄損させ、親族関係を急速に悪化させるリスクもあります。
そのため、特別受益に関する疑問や不安がある場合は、早めにNEXUSへ相談して下さい。
特別受益に関する知識と経験が豊富な、専門家の先生方と連携して、適切なアドバイスや解決策を提供することができるのであります😁✌
家族や資産の大切な繋がりを尊重し、
安心感溢れる円満な相続をサポートする
プロフェッショナル集団です。