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2024.07.19
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相続または遺贈により取得した土地、建物、株式などの財産を、一定期間内に譲渡した場合には、
相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができる制度のことであります。
ん? どういうこと?? では順番に見ていきましょう😀
実は、相続によって取得(入手)する際にかかったコストはゼロに近いですよね。
でも、相続で財産(土地や建物、株式)を取得した際に「相続税」を納税していたとしますと、財産を入手するためのコストとして税金を負担するようなイメージでしょうか。
そこで、税務上においては、支払った相続税額のうち一定の範囲を取得費としてカウントしても良いですよとするルールが認められているのであります。
(注)この特例は譲渡所得のみに適用がある特例です。株式等の譲渡による事業所得および雑所得については、適用できません。
対象者・対象物
特例の適用を受けるための要件
(1) 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
(2) その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
(3) その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。
計算方法・計算式
取得費に加算する相続税額は、次の算式で計算した金額となります。
その金額がこの特例を適用しないで計算した譲渡益(土地、建物、株式などを売った金額から取得費、譲渡費用を差し引いて計算します。)の金額を超える場合には、その譲渡益相当額となります。なお、譲渡した財産ごとに計算するのであります。
<算式>
相続や遺贈により取得した株式と同一銘柄の株式を保有している場合に、上記「特例の適用を受けるための要件」の(3)の期間内にその株式の一部を譲渡したときには、その譲渡については、その相続や遺贈により取得した株式の譲渡からなるものとしてこの特例を適用して差し支えありません。
👉ちなみになる「取得費」の話①
相続や贈与で、土地・建物、株式などを取得した人は、それを入手するための対価(代金)を支払っていませんよね🤔
でも売却(譲渡)した場合の譲渡所得を算定する際には、取得費をゼロとするわけではないのであります😄
前の所有者の取得費と譲渡費用を承継するのであります。
<相続・贈与における取得費の承継>
相続や贈与がなされた財産の『取得費』については、元の所有者(被相続人)の取得価額と取得時期を引き継ぐ。
例えば、先代が大昔に入手した土地について想像してみて下さい。購入時の金額は(現在の価値だと)極めて低い(安い)ことが多いですよね。
このような場合でも、承継した時点で低い取得費を引き継ぐのであります。
つまり!! 多額の含み益の状態のまま引き継いだことになってしまうのであります😲
相続の現場では、不動産を購入した時期から既に50年以上も経過しているということも結構あります。
そうすると、売買契約書などの資料が残っていないことも少なくありません。
譲渡所得を算定する際の取得費が分からないという状態に備えて、法律上では一応救済的なルールが設けられているのであります。
<概算取得費の算定式>
取得費 = 収入金額 × 5%
※租税特別措置法31条の4
※租税特別措置法通達31の4−1
ざっくり言いますと、取得費が分からない場合には、95%の値上がり(譲渡所得)として取扱うんやでということであります😵
当然、譲渡所得税も高額になってしまうのであります。
(救済措置のという割には、全然救済になってないやんか~であります😨)
実際の取得費が分かっている(大昔の売買契約書がキチンと保存してあったような)場合で、収入金額の5%相当額の方が多い場合(実際の取得費が収入金額の5%相当額を下回る場合)には収入金額の5%を取得費としても良いのであります😁
手続き・提出書類等
申告等の方法
この特例の適用を受けるためには、一定の書類を添えて確定申告をすることが必要です。
申告先等
所轄税務署
確定申告書に次の書類等を添えて提出します。
(1)相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
(2)譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]や株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
なお、(1)の計算明細書を利用すると、取得費に加算される相続税額を計算することができます。
計算明細書はこちら👉計算明細書(国税庁)
👉ちなみになる「取得費」の話②
遺産分割の際に、代償金を支払ういわゆる代償分割ですが、その代償金は、財産を取得するための負担というイメージがあるかも知れません。
しかし!! 代償金は、譲渡所得の算定における取得費としては認められていませんので注意してくださいませね😄
では、今回はこの辺で👍
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