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2024.02.26

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Q. 孫が有名私立大学に合格したので、入学金や授業料等をまとめて4年分1,000万円を、孫の母である私の娘の口座へ振り込みました。教育費は贈与税がかからないと聞いたのですが大丈夫でしょうか?

A. こういったケース非常に沢山あると思います。贈与あるあるの典型です。はい。 以下をご参照頂ければと思います。

相続税法21条の3

扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものの価額については、贈与税の課税価格に算入しない旨規定しています。この規定は、扶養者同士の贈与において、生活費や教育費を目的とした贈与が行われた場合、贈与税の課税価格の対象から外れることを意味します。

「扶養義務者」とは

「扶養義務者」とは、民法第877条第1項では「直系血族」と「兄弟姉妹」が扶養義務者であるとされています。直系血族とは、父母や祖父母、子供、孫、ひ孫など、自分自身を中心として血のつながりがある親族のことです。また、兄弟姉妹については結婚して戸籍から外れた場合でも、法律上では兄弟姉妹の関係が続くと解釈されるため、扶養義務がなくなることはありません。結婚をしている場合は、夫や妻も扶養義務者となります。これは、民法第752条で「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と定められているためです。直系血族や兄弟姉妹、配偶者のすべてが生活に困窮しており、経済的な支援が困難なときは、家庭裁判所の審判によって「3親等内の親族」が扶養義務者になることがあります。扶養義務者になる可能性がある3親等内の親族とは、伯父(叔父)や伯母(叔母)、甥、姪などのことです。

相続税法第1条の2第1号では、扶養義務者を「配偶者及び民法に規定する親族」と定められています。年齢の制限や生活費などの援助の事実に関しての条件は、特に定められていません。民法では、直系血族や兄弟姉妹、家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族が扶養義務者とされていますが、相続税法では配偶者も含まれます。また、相続税基本通達では「三親等内の親族で生計を一にする者については、家庭裁判所の審判がない場合であってもこれに該当するものとして取り扱うものとする」という解釈が記載されています。近しい関係であれば叔父や叔母、甥、姪の生活を援助するというケースも想定されるためです。扶養義務者に該当するかどうかは、相続税については相続が開始されたときの状況で、贈与税については、財産が贈与されたときの状況で決まります。※「生計を一にする」についてはまたの機会に解説したいと思います。

「生活費」「教育費」

相続税基本通達<贈与税の非課税財産関係>によると
「生活費」とは、通常の日常生活を営むのに必要な費用で、治療費や養育費その他これらに準ずるものなどが含まれます。
「教育費」は、子供や孫などの被扶養者の教育において、教養上通常必要とされる学費、教材費や通学のための交通費、文具費などです。また、義務教育を受けるために必要な費用には限られません。
「生活費又は教育費に充てるため」とは、必要な都度直接これらに充てることを言います。したがって、生活費・教育費という名目であっても一括して贈与されて預金したり、株式、車、不動産等の購入に充てらたものは、贈与税の課税対象となります。
「通常必要と認められるもの」は、被扶養者の需要と扶養者の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産をいうものとする。
と書かれています。

ですので、Qのような場合、扶養義務者相互間ではあるのですが、そもそも「孫が有名私立大学に途中で行かなくなるかもしれない」「パチンコや競馬に注ぎ込んで無くなるかもしれない」「余ったお金でバイクを買うかもしれない」「孫ではなく、孫の母に振込んでしまっている」などなど、突っ込みどころが満載です。
贈与税が非課税になるのは、父母や祖父母などから生活費や教育費を必要なときに必要な分だけ贈与された場合です。入学金や学費の納付書などが有れば良かったのにと思う今日この頃です。

贈与のキモのおさらい ⇒ ✔「都度」✔「直接」✔「使い切り」
具体的な適用条件は、扶養者の関係や贈与の目的によって異なりますので、NEXUSまでご相談下さい‼

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