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2024.02.28
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Q. 教育資金の一括贈与を検討しています。受贈者である息子や孫が先に亡くなった場合でも相続対策になりますか?
A. 先ずは、教育資金の一括贈与の制度について、もう一度確認しておきたいと思います。
教育資金の一括贈与
平成 25 年4月1日から令和8年3月 31 日までの間に、30 歳未満の受贈者※1(子や孫など)が、教育資金(具体的には[以下の教育資金とは]を参照してください。)に充てるため、取扱金融機関との教育資金管理契約(租税特別措置法第 70 条の2の2第2項第2号に規定するものをいいます。以下同じです。)に基づき、受贈者の直系尊属※2(父母や祖父母など。以下「贈与者」といいます。)から
① 信託受益権を取得した場合
② 書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合
③ 書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合(追加贈与を含みます)には、その信託受益権、金銭又は金銭等(以下「信託受益権又は金銭等」といいます。)
の価額のうち 受贈者1人につき1,500 万円(学校等以外の者への支払は500万円を限度とします)までの金額に相当する部分の価額については、取扱金融機関を経由して「教育資金非課税申告書」を受贈者の納税地の所轄税務署長に提出することにより、受贈者の贈与税が非課税となります。【教育資金の一括贈与のあらまし】についてはこちらをご覧ください
つまり、教育資金贈与の1,500万円の非課税特例は、単に祖父母等から孫などに金銭を贈与しただけでは適用されることはなく、金融機関等と“教育資金管理契約”を結び、基本的には受贈者が30歳になるまで、贈与された教育資金の払出し状況などを締結先の金融機関で管理してもらう必要があります。⇒勝手に親が引き出したりはできないんです。ちょっと面倒くさそぉな感じ
受贈者側が先に死亡した場合
今回の相談者様は、受贈者(息子さんやお孫さん)が先に死亡した場合は相続税対策になるか?とのことでした。
受贈者が死亡した場合、金融機関等との間でした教育資金管理契約(教育資金口座に係る契約)が、受贈者が死亡した日に終了します。
非課税拠出額から教育資金支出額を控除した“いわゆる残額”があったとしても、贈与税は課されません。💡ちなみに教育資金管理契約が終了するのは、次の内いずれか早い日に終了します。
① 受贈者が30歳に達した場合(在学中などの場合は最長40歳まで延長できます)
② 受贈者死亡
③ 管理口座の金銭等の額が0(ゼロ)になり、受贈者と金融機関等との間で、管理契約を終了する合意があった場合
ですので、やはり資金が必要になったタイミングで都度支払うことをおススメします。その場合は金額に関わらず贈与税はかかりません。大学は学部によっては1年の学費が数百万円となることもありますが、そのような場合も都度支払えば全然大丈夫です。何度も言いますが「都度」という条件には注意が必要です。学校にすぐ納めない分まで渡してしまうと通常の贈与とみなされ税金がかかってしまいますのでご注意を。この場合は、祖父から学校等へ直接振り込んでもらえば良いだけです。その際の領収書は必ず保管しておいて下さいね。
教育資金関連での「へぇ~」発見
- 対象者は、祖父母からだけでなく,直系尊属(例えば,曽祖父母,祖父母,父母等からの贈与)が対象となります。養父母は含まれますが配偶者の直系尊属は含まれません。(養子縁組による親族関係がある場合は除きます)叔父・叔母や兄弟からの贈与は対象外です。
- 外国に所在する金融機関(日本の金融機関の海外支店を含む)では取り扱っていません。
- 学校等とは、 幼稚園,小学校,中学校,義務教育学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,大学,大学院、高等専門学校、専修学校,各種学校,保育所,保育所に類する施設,認定こども園, 外国の教育施設のうち一定のもの,水産大学校,海技教育機構の施設(海技大学校,海上技術短期大学校,海上技術学校),航空大学校,国立国際医療研究センターの施設(国立看護大学校), 職業能力開発総合大学校,職業能力開発大学校,職業能力開発短期大学校,職業能力開発校,職業能力開発促進センター,障害者職業能力開発校などがあります。ちなみに大阪で有名な西澤学園は各種学校に該当します。
- 学校等に対して支払われたことが,学校等からの領収書等により確認できる費用が対象であり,例えば,入学金,在籍料,授業料,入園料,保育料,施設設備費,教育充実費,教育運営費,修学旅行・遠足費,入学検定料,在学証明書,卒業証明書,卒業見込証明書,成績証明書等の手数料,PTA会費,学級会費・生徒会費・学校の寮費などが挙げられます(学校等が費用を徴収し,業者等に支払う場合も含みます)。
※ 学校等で必要な費用は,①学校等(学校等の設置者)に支払う場合 ②業者等に支払う場合の両方が考えられますが,このうち①の場合(学校等に支払ったことが領収書等で確認できる場合)のみが,1,500 万円までの非課税の対象となります。一方,個人が直接業者等に費用を支払った場合(②の場合)は,一定の条件の下,500 万円までの非課税の対象となる場合があります。
※ 学校等へ直接支払わず,学校等の設置者たる市町村へ直接支払う場合にも,1,500 万円までの非課税対象となります。
※ 学校等に対して直接支払われる費用であっても,学校債や振込手数料は教育費とはいえないので,認められません。 - 500万円までの非課税枠の対象となる費用とは、 以下のような費用が対象となります。
< 塾や習い事など,学校等以外の者に直接支払われる費用>
・下の①~④の教育活動の指導の対価(月謝,謝礼,入会金,参加費など)として支払う費用や,施設使用料。
・下の①~④の教育活動で使用する物品の費用。ただし,①~④の教育活動の指導を行う者を通じて購入するもの(=指導を行う者の名で領収書が出るもの)に限ります。
※ 指導を行う者を通さず個人で購入した場合(例:塾のテキストやラジオ講座のテキストを一般書店で購入,野球のグローブを専門店で購入)は,対象となりません。
※ 塾や習い事から業者を通じての購入や支払を保護者に依頼している資料等が出ていたとしても,物品の費用は対象となりません。
※ 塾や習い事の保護者会費や後援会費は,対象となりません。
①学習(学習塾・家庭教師,そろばん,キャンプなどの体験活動等)
②スポーツ(スイミングスクール,野球チームでの指導など)
③文化芸術活動(ピアノの個人指導,絵画教室,バレエ教室など)
④教養の向上のための活動(習字,茶道など) - 大学入試センター試験の受験料は、1,500万円までの非課税枠の対象となります。
- スポーツジムに係る費用は,インストラクター等から指導を受けるものに限り,原則 500 万円までの非課税の対象となり,当該費用が施設利用料等に限定されている場合は,指導への対価といえませんので,非課税の対象なりません。
- 自動車学校の費用は非課税の対象となります。ただし,当該自動車学校が専修学校や各種学校の認可を受けている場合は 1,500 万円を上限とした非課税の対象,そうでない場合は 500 万円を上限とした非課税の対象となります。
まぁ金融機関等で判断してくれると思いますが、領収書等の宛名は原則受贈者でなければならないとか、コンビ二エンスストアなどを利用し,収納代行機関を通じて教育資金を支払う場合には,学校等からの書面で,当該収納代行機関に支払うことが指示されているなどの書面の添付が必要になりますとか、とか、とか色々あり過ぎますので都度贈与が良いかと。。。ではこの辺で😀
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