NEXUS NEXUS

コラム / セミナー案内

COLUMN / SEMINAR

イラスト
雲のイラスト
イラスト
雲のイラスト
雲のイラスト

2024.04.19

ブログ

生命保険の死亡保険金受取人が死亡している場合
【難易度】★★★★☆

久しぶりに生命保険の話であります。(酒のツマミになるかどうかは知らんけど😁)

被保険者の死亡以前に、死亡保険金受取人が死亡していることが判明したケースどうなるのかご存知ですか?
実は、最近お問合せいただいた内容を基に、これは皆さまにお伝えしとかなきゃ!!と思って、今回のブログを作成しております。
高齢社会が進む我が国では、今後このようなことがドンドン増えてくるかも知れませんね😰

では早速、判例や具体例に参りましょう。

 

最高裁の判決


最初に、受取人が先に死亡してしまった場合について、保険法ではどう定めているのかと言いますと、保険法46条では、生命保険契約について、保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる旨を定めているのであります。この時の受取割合は、相続分ではなく、すべての相続人が平等に受取ることができるとされています。保険金の受取人が、被保険者よりも先に、既に死亡していた場合、保険金受取人の相続人へ、死亡保険金が支払われるのが原則なのであります。

 

最高裁は、受取人が先に死亡しているケースについて、受取割合について約款に規定がない場合には、
各法定相続人の受取割合は均等であるとの立場をとっているのであります。(平成4年3月13日第一小法廷判決、平成5年9月7日第三小法廷判決)

最高裁判所平成5年9月7日判決(民集47巻7号)

(権利人が誰になるかについて)
・「商法六十六条二項にいう「保険金額ヲ受取ルへキ者ノ相続人」とは、保険契約によって保険金受取人として指定された者の法定相続人又は順次の法定相続人であって被保険者の死亡時に生存する者をいう。」
(受取割合について)
・「生命保険の指定受取人の法定相続人と順次の法定相続人とが保険金受取人として確定した場合には、各保険金受取人の権利の割合は、民法四ニ七条の規定の適用により、平等の割合になる。」

 

判決の文章は、カタカナ表記が急に出てきたり、同じような四文字(以上)熟語が複数回登場しますので、ややこし過ぎて難儀します(心の叫び😅)

実は、上記の判決とは別に、下記に記載しました平成6年7月18日最高裁第二小法廷においては、受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合、
受取人間の受取割合は法定相続割合によるべきであるとの判断
を下しているのであります。

 

最高裁判所平成6年7月18日判決(民集48巻5号)

(権利人が誰になるかについて)
・「保険契約において保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合」
(受取割合について)
・「特段の事情のない限り、右指定には相続人が保険金を受け取るべき権利の割合を相続分の割合によるとする旨の指定も含まれ、各保険金受取人の有する権利の割合は相続分の割合になる。」

 

同じ最高裁において、均等割合説(第一小法廷および第三小法廷)と、相続割合説(第二小法廷)と判断が分かれておりまして、そのため二重払いを避けるという意味合いで、ほとんどの保険会社では、「代表請求方式」という方法で実務上は取扱いしております。
ところが、上記平成6年判決が出てから相当年数が経過しているにも関わらず、平成5年判決が判例変更される兆しが見られないことから、結論としては

受取人先死亡の場合の各死亡保険金受取人間の受取割合を均等割合とする取扱いを行っているのであります。

 

一応、念のため、受取人が先に死亡している場合の権利者についてどのように考えるかの補足であります。
保険事故(=用語については後ほど解説します)発生時における死亡保険金受取人の法定相続人が実際の受取人になります。(法定相続人のうち死亡している者があるときは、その者については順次の法定相続人が実際の受取人となります。)そのため、保険契約者の相続人は、保険金受取人とはなりません。

👉解釈はこうだ!
保険事故発生時までに、死亡保険金受取人の法定相続人が死亡した場合には、当該法定相続人の死亡時における更なる法定相続人が、その受取人たる地位(当該被相続人の受取権利)を取得するという具合に、順々に法定相続人を判断し、最終的に保険事故発生時に生存している者が、実際の死亡保険金受取人であると考えていきます。なお被保険者が死亡保険金受取人の相続人であった場合には、被保険者の死亡に伴って、被保険者の法定相続人にも受取人としての権利が引継がれることになりますので、十分に注意が必要です。
(ムムム?? 誰がああなって、この人がこうなって、ああなってと混乱気味になってしまった方、NEXUSへどうぞお越し下さい。これからの季節は冷た~ぃお茶を準備してお待ちしています😊)

生命保険は、誰にどのように受取ってもらうかによって税金が変わったり、受取人を複数人にする場合の留意点やポイント等、分かりにくい点が多々あります。

相続対策の保険のことなら先ずはNEXUSへ。
別にFPSに聞くのも有りだとは思いますけど🙄

 

👉【保険事故とは】保険において保険者(保険会社)の保険金支払義務を具体化させる事故、つまり、当該事故が発生したときに保険者が保険金の支払いをしなければならない事実のことを言います。偶然なものでなければなりませんが、いつか必ず発生するといったものでも良いとされています。
例えば、「生命保険」の場合ですと人の死亡、「養老保険」の場合には満期まで生存、さらに「火災保険」ですと火災による建物等の焼失、さらにもういっちょ「損害賠償責任保険」の場合ですと一定の事由による損害賠償責任の発生などが保険事故に当たるといった具合なのであります。

 

次回は、被保険者が亡くなった(いわゆる保険事故発生)後、死亡保険金受取人が保険請求する前に亡くなってしまった場合や、被保険者と受取人が同時に亡くなった場合はどうなるか、徹底解説します!! 乞うご期待!!! 次回も【難易度】★4っ くらいをイメージしてます。
(ハードル上げすぎたかなぁ~😅)

NEXUS

家族や資産の大切な繋がりを尊重し、
安心感溢れる円満な相続をサポートする
プロフェッショナル集団です。