2025/10/6
■100年以上続く“運用型”の賞金制度
毎年10月、ノーベル賞の受賞者が発表されると、世界中のメディアがその功績を伝えます。
12月には、ストックホルムで厳かな授賞式が行われ、華やかな舞台が整います。
ノーベル賞自体は、「すごい功績をあげた方に贈られる賞」として認識されていると思いますが、
実はあまり知られていないのが、その“賞金の仕組み”です。
あの賞金は、どこから来るのか?
実は「資産運用の成果」から生まれていることをご存じでしょうか。
100年以上にわたり続いてきたこの制度は、単なる寄付や国費ではなく、
ノーベル財団による持続可能な資産運用によって支えられています。
今回は、その運用の実態と哲学に目を向けながら、
私たちが日々向き合う「お金の育て方」にも通じるヒントを探ってみたいと思います。
■ ノーベル賞のはじまりと賞金の原資
ノーベル賞は、スウェーデンの発明家アルフレッド・ノーベルの遺言によって創設されました。
彼は「人類に貢献した人々に、賞と賞金を贈る」ことを望み、自らの遺産を原資に「ノーベル財団」を設立するよう指示しました。
ここで特筆すべきは、賞金の捻出方法です。
「元本は使わず、安全な証券に投資し、その収益で賞金を支払う」
まさに現代の資産運用に通じる設計が、100年以上も前に記されていたのです。
つまり、ノーベル賞の賞金は“一時的な寄付”ではなく、資産を育てる仕組みによって生まれているのです。
■ 賞金額はどうやって決まる?──運用成績との関係
2023年のノーベル賞の賞金額は、1,100万スウェーデン・クローナ(約1,500万円)。
この金額は毎年固定ではなく、ノーベル財団の資産運用成績に応じて変動しています。
実際、2012年には世界的な経済不安を背景に、賞金額が引き下げられたこともありました。
逆に、運用成果が好調な年には増額されることもあります。
このように、長期的な持続性と財団の安定運営を優先し、柔軟な調整を行っている点に、財団の堅実な運営方針が表れています。
■ ノーベル財団のポートフォリオ構成(2023年時点)
当初、ノーベル財団は債券を中心とした保守的な運用を行っていました。
しかし、低金利とインフレリスクが高まる中で、運用方針は大きく見直されてきました。
2023年時点のポートフォリオ構成は以下の通りです:
・株式:約56%
・オルタナティブ投資:約24%(ヘッジファンド、プライベートエクイティなど)
・債券・現金:約12%
・不動産・インフラ:約9%
ちなみに、2024年の最新の報告では、株式の割合がやや増え56%、不動産やオルタナティブ資産の比率も高まりつつあります。
年間リターンは+11.6%と、財団の運用が安定して成果を上げていることがうかがえます(ノーベル財団公式発表より)。
また、リスク分散のために通貨ヘッジや地域・資産クラスの分散も戦略的に行われており、
一時的な利益ではなく、中長期で安定したリターンと元本保全の両立を目指しています。
ノーベル財団の資産運用は、まさに世界規模で実践されている長期・分散の教科書的な姿ともいえるでしょう。
■ FPSとして伝えたいこと
ノーベル財団は、資産をただ増やすのではなく、
「これからも賞を届け続ける。」この目的のために、丁寧に運用を重ねています。
この姿勢は、私たちがご提案する資産形成にも通じます。
目の前の数字だけでなく、
その先にある“安心”や“未来の選択肢”を見据えること。
どんな人生を描きたいのか。
そのために、どんなお金の仕組みが必要なのか。
FPSは、あなたの歩みに寄り添いながら、
知識と仕組み、そして人の力で、「続けられる安心」を、ご一緒に作っていきます。
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