2025/05/16
2025年最新版・年金のもらい方完全ガイド
~老齢年金・繰り上げ・繰り下げ・在職老齢年金・年金分割まで~
◆ 公的年金とは?
日本の公的年金制度は「2階建て構造」になっています。
【1階】国民年金(基礎年金):すべての人が対象
【2階】厚生年金:会社員・公務員が対象
原則として20歳から60歳まで保険料を納め、65歳から老齢年金を受け取る仕組みです。
受け取り時期や働き方、人生の選択によって、年金の総額は大きく変わってきます。
◆ 老齢年金の受け取り時期を調整できる「繰り上げ」「繰り下げ」
◉ 繰り上げ受給(60~64歳)
● 1か月早めるごとに 0.4%ずつ減額(最大24%)
● 減額は生涯続く
● 「加給年金」や「振替加算」などが受け取れなくなる可能性あり
▶ 向いている人
・早く生活資金が必要な方
・健康に不安がある方
・老後資金を別で確保している方
◉ 繰り下げ受給(66~75歳)
● 1か月遅らせるごとに 0.7%ずつ増額(最大84%)
● 増額は一生続く
▶ 向いている人
・長寿の家系の方
・退職金や貯蓄に余裕がある方
・65歳以降も収入がある方
◉ 繰り下げの注意点(要チェック!)
【税金・社会保険料が増える可能性】
繰り下げによって年金額が増えると、所得が上がり、所得税や住民税、介護保険料、後期高齢者医療保険料が上がる場合があります。
【医療・介護の自己負担割合が変わる可能性】
所得が一定額を超えると、医療費や介護サービスの自己負担割合が2~3割になることもあります。
【遺族年金の計算基準に繰り下げ分は反映されない】
繰り下げて増えた金額は、もし自分が亡くなった後に配偶者が受け取る「遺族年金」には反映されません。あくまで基準は繰り下げ前の金額です。
▶ ポイント
損得だけで判断せず、「自分にとって最適かどうか」を軸に考えることが大切です。
◆ 在職老齢年金とは?【2025年度対応】
65歳以上で働いていると、年金が一部支給停止になる場合があります。
● 年金月額 + 月収(標準報酬月額)≧ 51万円(2025年度)
→ 超過分の1/2が年金から差し引かれる
▶ 例:
年金月額20万円+月収35万円=55万円
→ 4万円オーバー → 2万円が年金から減額
◆ 再計算(在職定時改定)で将来の年金額が増える!
一時的に年金が減額されると、「働いたら損」と感じる方もいますが、実はメリットもあります。
65歳以降も厚生年金に加入し保険料を納め続けると、年金額は毎年10月に自動で見直されて増額されます。
この仕組みは「在職定時改定」と呼ばれ、日本年金機構の公式サイトでも明記されています。
▶ ポイント
● 再計算は毎年10月に自動で行われます(手続き不要)
● 今は減っても、将来の年金額が上がる
● 働きながら年金を育てる感覚で、前向きに考えられる
▶ 公式出典:
在職老齢年金の計算方法
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/zaishoku/20150401-01.html#cms03
在職定時改定の仕組み
◆ 離婚後に活用できる「年金分割制度」
配偶者が厚生年金に加入していた場合、婚姻中の年金記録を分け合うことができる制度です。
特に専業主婦(第3号被保険者)だった方にとって重要です。
年金分割には2つのタイプがあります:
【合意分割(2007年~)】
離婚時に当事者同士で合意、または家庭裁判所を通じて割合を決定します。
【3号分割(2008年~)】
第3号被保険者だった人は、配偶者の厚生年金記録の2分の1を自動的に請求できます(合意不要)。
▶ 注意点
・分割対象は厚生年金部分のみ(国民年金は対象外)
・請求は原則として離婚後2年以内。これを過ぎると時効で請求できなくなるため注意が必要です。
◆ まとめ:年金は「早めに知って備える」ことが安心につながる
● いつから年金を受け取るか?
● 働き方によってどれだけ影響があるのか?
● 離婚後の生活をどう支えるか?
年金制度は複雑に見えますが、知識があるかないかで、将来の安心感は大きく違ってきます。
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◆ 最後に
「これ、もっと早く知りたかったな。」
そう思う方が、きっとたくさんいらっしゃるはずです。
年金は“人生を支える柱”。
知識があるだけで、選択肢が増え、安心感が変わります。
ぜひ、あなたの大切な人にも教えてあげてください。
一緒に、安心できる未来を描いていきましょう。
(FD00110)