2025/07/7

【残クレの落とし穴】「月々1万円で新車に乗れる」のワナ?

~お金の安心は“仕組みを知ること”から~

特にこんな方に読んでいただきたいコラムです:

・車の購入を検討している方(特に初めてローンを組む方)
・社会人になったお子様が車を買おうとしているご家庭
・「月々1万円で新車に乗れる」などの広告に少し不安を感じている方
・お金の使い方や契約の仕組みを、家族で話すきっかけを探している方

 

最近、SNSや動画広告でよく見かける「残価設定ローン(残クレ)」。
一見すると、手軽に車が持てそうで魅力的に映るこの仕組みですが、正しく理解していないと、思わぬトラブルにつながるリスクがあります。

「お金の使い方や判断力」は、その人の生き方や未来の選択に直結しています。
今回は、今注目されている“残クレ”の仕組みと注意点について、ファイナンシャルプランナーの視点からわかりやすくお伝えします。

 

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「頭金ゼロでアルファードに乗れる!」「月々1万円で高級車が手に入る!」
こんな広告をSNSや動画で見かけたことはありませんか?

近年、「残価設定型ローン(通称:残クレ)」を活用した車の購入が広がっています。
一見お得そうに見えるこの仕組みですが、きちんと理解していないと、後々大きな後悔につながることも。

 

■ 残クレとは?
残クレ(残価設定ローン)は、数年後の車の下取り価格(=残価)をあらかじめ設定し、その残価を差し引いた金額だけをローンで支払うという仕組みです。
たとえば、500万円の車で残価が250万円なら、残りの250万円だけを月々支払っていくイメージ。
月々の支払いは確かに抑えられますが、その分「条件」がいくつもついてきます。

 

■ 実は多い!残クレのトラブル事例
弁護士ドットコムなどによると、以下のような相談が増えています:

・走行距離の制限を超えてしまい、追加費用が発生した
・小さなキズやへこみにより、予定していた下取り価格が大きく下がった
・契約満了時に、思ったより多くの金額を請求された
・途中で手放したくなっても解約しにくく、柔軟に対応できなかった

 

など「月々の支払いが安いから安心」とは限らないのです。

 

■ 「買える」=「持てる」ではない
車の購入はスタートにすぎません。
その後には、以下の費用も継続的にかかります:

・自動車保険(任意保険・車両保険)
・税金(自動車税・重量税など)
・車検・メンテナンス費用
・駐車場代・ガソリン代 など

“買えるかどうか”ではなく、“維持し続けられるかどうか”が大切な視点です。

 

■ 残クレを検討する前に、確認しておきたい3つのこと

 

1.総額でいくら支払うのか?

月々の金額に目がいきがちですが、残価や金利、追加費用も含めた「総支払額」で判断しましょう。

 

2 .ライフプランに本当に合っているか?
結婚や出産、転職、住宅購入など将来のライフイベントも踏まえた判断が必要です。

 

3. “見栄”ではなく、“必要”に合った選び方か?
広告やSNSで流行しているからではなく、自分にとって本当に必要な車かどうか、冷静に考えてみましょう。

 

 

■ FPSが大切にしていること
私たちFPSでは、保険や資産形成にとどまらず、人生を豊かにするお金の使い方を大切にしています。
車、住宅、教育費、老後資金――すべてはつながっているからこそ、「トータルで考える視点」を一緒に持っていただけるよう、日々情報をお届けしています。

 

■ 社会人になったお子様にも、伝えたいお金のリテラシー

社会人歴が浅いお子様がいらっしゃる方は、ぜひ一度「お金の契約」について会話のきっかけをつくってみてください。
成人している以上、親の同意がなくても、自分の判断でローンやクレジットなどの契約ができるようになります。
でも、「契約する力」と「正しく選ぶ力」は、必ずしもイコールではありません。
残クレのような一見お得に見える契約も、内容を理解せずに進めてしまえば、将来の家計を圧迫するリスクがあります。

だからこそ、

・高校・大学生のうちに「お金の仕組み」を学ぶ機会を持つこと
・家庭でのちょっとした会話からリテラシーを育むこと

こうした積み重ねが、未来の安心をつくる第一歩になります。

まだまだ学校では学ぶ機会が少ない、“お金の使い方”や“判断の軸”
だからこそ、家庭の中での小さな会話が、大きな学びにつながります。

家庭内ではぐくまれるお金のリテラシーも、これからの時代とても大切になってきます。
その学びの一歩を、私たちFPSも一緒に支えていけたら嬉しく思います。

 

いつでもご相談ください。

 

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