2026/09/28

成年後見人の報酬はいくら?認知症になると「お金の管理」にもお金がかかる?


先日のコラムでは、100歳以上の人口が10万人を超え、「人生100年時代」がいよいよ身近になってきたことをご紹介しました。

 

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2026年の100歳以上人口が10万人超|きんさん・ぎんさんの時代から考える人生100年時代 | 株式会社FPS

 

医療や暮らしが進歩し、人生が長くなったことで、旅行や趣味、新しい挑戦など、楽しめる時間も増えています。

一方で、人生が長くなったからこそ、考えておきたいことも増えています。

老後の生活費や介護、そして意外と見落とされやすいのが、

 

「自分でお金を管理できなくなったら、どうするのか?」

 

という問題です。

老後に向けてお金を貯めたり、NISAやiDeCoで資産形成をしたりすることはもちろん大切です。

でも、もう一つ考えておきたいのが、

「貯めたお金を、必要なときに使える状態にしておくこと」です。

認知症などによって判断能力が低下すると、預貯金の管理や不動産の売却などを、自分で行うことが難しくなる場合があります。

また、家族だからといって自由に手続きできるとは限りません。

そこで利用される制度の一つが「成年後見制度」です。

 

 

そもそも「成年後見制度」って?

成年後見制度とは、認知症などによって判断能力が十分でなくなった方を、法律面や生活面から支えるための制度です。

家庭裁判所によって成年後見人などが選ばれると、本人に代わって財産を管理したり、必要な契約を行ったりします。

ここで、

「うちは子どもがいるから、子どもに成年後見人になってもらえばいいのでは?」

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

実は、そうとも限りません。

 

 

家族がいれば、家族にお願いすればいい?

もちろん、家族が成年後見人になることもあります。

ただし、家族だから必ず成年後見人になれるわけではありません。誰を成年後見人にするかを最終的に決めるのは家庭裁判所です。

 

実際、最高裁判所が公表した2025年のデータでは、後見等の開始と同時に選ばれた成年後見人・保佐人・補助人のうち、

親族 16.4%
親族以外 83.6%

となっています。

 

つまり、実際には8割以上が親族以外です。親族以外では、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職が多く選ばれています。

 

では、なぜ家族が成年後見人にならないケースがあるのでしょうか。

たとえば、

・家族の間で意見が分かれている
・管理する預貯金などの金額が大きい
・不動産の売却など重要な手続きが予定されている
・遺産分割など、本人と後見人候補の利害がぶつかる可能性がある

といった場合には、家族以外の人が選ばれたり、成年後見監督人などが選ばれたりする可能性があります。

 

また、申立ての際に「この家族に後見人になってほしい」と候補者を挙げても、その人が必ず選ばれるわけではありません。

そして、弁護士や司法書士などの専門職が成年後見人になり、家庭裁判所が報酬を認めた場合、その報酬は本人の財産から支払われます。

では、実際どれくらいの報酬がかかっているのでしょうか。

 

成年後見人の報酬、実際いくらくらい?

最高裁判所が公表した最新データから、弁護士や司法書士などの専門職を含む「親族以外の人」が成年後見人になったケースを見てみます。

本人の預貯金や有価証券などが1,000万円未満の場合、年間の報酬は「20万円台」が最も多いことが分かりました。

 

具体的には、

・100万円未満 → 73.9%が20万円台
・100万円〜500万円未満 → 80.2%が20万円台
・500万円〜1,000万円未満 → 80.6%が20万円台

と、いずれも多くを占めています。

 

一方、資産額が大きくなると報酬にも違いが見られ、

・1,000万円〜5,000万円未満 → 54.0%が30万円台
・5,000万円〜1億円未満 → 50.3%が60万円台

となっています。

 

もちろん、この金額が必ずかかるわけではありません。

成年後見人の報酬は、それぞれの事情に応じて家庭裁判所が決めます。

ここで知っておきたいのは、認知症などで自分のお金を管理することが難しくなったとき、「財産を管理してもらうためのお金」が必要になる場合があるということです。

 

※上記は、通常の後見業務とは別に特別な業務を行ったことによる「付加報酬」を求めていないケースのデータです。

 

 

年間24万円なら、10年間で240万円

仮に年間24万円の報酬がかかった場合、月額では2万円です。

ただし、成年後見制度は長期間利用することもあります。

年間24万円なら、
5年間で 120万円。
10年間で 240万円。

もちろん、実際の報酬額や利用期間は人によって異なります。

大切なのは、老後には生活費や医療費、介護費だけでなく、財産を管理してもらうための費用がかかる可能性もあると知っておくことです。

 

「貯める」だけではなく「使える」準備を

前回のコラムでは、人生100年時代のお金について「貯める・増やす・使う」という視点をご紹介しました。

今回は、そこからもう一歩先のお話です。

「使う」ためには、「使える状態」にしておくことも大切。

 

どれだけ資産を準備していても、必要なときに自分や家族が動かせなければ、思うように活用できない可能性があります。

これからのマネープランは、「いくら準備するか」だけでなく、「最後までどう管理するか」まで考えておくことが大切です。

 

元気な今だから、選べることがあります。

成年後見制度は、判断能力が低下した方の権利や財産を守るための大切な制度です。

一方で、判断能力が十分にあるうちなら、家族信託・任意後見・遺言など、将来に向けたさまざまな準備を検討できます。

 

どの方法が合っているかは、財産の状況や家族構成、本人の希望によって異なります。

だからこそ、「認知症になってから」ではなく、「元気なうちに」考えておくこと。

人生が長くなった今、自分らしく過ごすための準備も大切になっています。

 

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家族信託や遺言、相続対策、認知症に備えた財産管理など、必要に応じて司法書士や税理士、弁護士などの専門家と連携しながら、一緒に整理していきます。

「何から考えればいいの?」
「誰に相談すればいいの?」

そんな段階からでも大丈夫です。

今回のコラムをきっかけに、ご自身やご家族のこれからについて、一度考えてみてはいかがでしょうか。

 

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【出典】

最高裁判所事務総局家庭局「報酬に関する実情調査の集計結果について―令和7年7月~12月―」

 

最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況―令和7年1月~12月―」

 

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