2025/10/31
【コラム】火災や地震より身近?ランサム攻撃と“デジタルの備え”
~アスクルが止まり、居酒屋からアサヒビールが消える理由とは~

■「いつも通り」が通じない違和感
会社で備品を発注しようと、いつものアスクルにアクセスしたら…
「システム障害によりサービス停止中」。
仕方なく近くの文房具店で、いつもよりも高い値段で買いそろえる羽目に。
行きつけの居酒屋では、「アサヒビールが入荷できません」との貼り紙が。
物流が止まったのか?繁忙期か?──いえ、違います。
これらの現象の裏にあったのは、“サイバー攻撃”によるシステム停止でした。
私たちの生活に、見えない形で確実に影響を及ぼしている新たなリスク。
それが「ランサムウェア攻撃」です。
■ランサムウェア攻撃とは?
ランサムウェアとは、悪意のある第三者が企業や自治体のシステムに侵入し、
データを暗号化して使用不能にし、「元に戻してほしければ身代金(ランサム)を支払え」と要求する攻撃手法です。
身代金を支払っても、データが復旧されないケースも多く、
たとえバックアップを取っていても、それすら暗号化されることも。
日本経済新聞によれば、2025年には世界で「約8.7兆円(570億ドル)」もの被害額が発生する見込みとなり、これは2021年の被害額の約3倍となります。
これは地震や火災による被害額を上回る、“デジタルの災害”と言える規模です。
■中小企業や個人にも迫る「他人事じゃない」リスク
「うちは中小企業だから関係ない」「大企業が狙われる話でしょ」
そう思っていませんか?
実は、攻撃の多くは中小企業や委託先を“入り口”にして大企業へ侵入するケースも増えています。
セキュリティが甘い下請け企業や個人事業主の端末が狙われ、サプライチェーン全体が被害を受けるという構造です。
その結果、仕入れや納品が止まり、支払い遅延や取引停止に発展するケースも。
お客様の情報流出、業務の信用失墜、取引先への賠償──すべてが現実に起きています。
今や「自分の会社が狙われるか」ではなく、
「取引先や関係先が攻撃されたら、自分の仕事や収入は止まらないか」という視点が必要です。
■サイバー攻撃は“日常”を止める
このような攻撃は、単に「データが見られなくなる」「操作できない」だけで済みません。
給与の支払いが止まり、顧客対応が滞り、業務が全体的に“フリーズ”してしまう。
従業員の生活、会社の信用、ビジネスの継続。
すべてが、見えないウイルス1つで揺らぐ時代になったのです。
それでも多くの企業が、火災保険や地震保険は整えていても、
サイバーリスクへの備えは“後回し”になりがちです。
■備える方法はある:仕組みと保険で守る
では、私たちはどう備えればいいのでしょうか?
まずは、「怪しいリンクを開かない」「定期的にバックアップを取る」といった基本行動の徹底。
次に、被害を最小限に抑えるためのセキュリティ対策やサイバー保険の導入です。
最近では、ランサム攻撃による業務停止・賠償責任・復旧費用などをカバーできる
損害保険商品も多く登場しています。
保険で全てをカバーできるわけではありませんが、
“最悪の事態からの復旧”という視点では、防災訓練の一環としての価値があります。
■FPSでできること:リスクを「見える化」し、備える
私たちFPSは、大阪を拠点に、生命保険・損害保険を通じて、お客様の暮らしと事業を支える保険代理店です。
そして、私たち自身もサイバーリスクへの備えを実践しています。
社内ではセキュリティ対策の強化を継続的に行っており、
一人ひとりができる対策として、攻撃型メール訓練も定期的に実施。
不審メールへの対応力を高めるとともに、
「自分は関係ない」ではなく、「自分の判断が会社を守る」という意識づけを大切にしています。
火災・地震・事故だけでなく、
このような「デジタル災害」や経済的損失にも、保険を通じて備えるお手伝いをしています。
企業向けのリスク診断や、
サイバーリスクに対応した損害保険のご提案、
万一の備え方・復旧の仕組みづくりまで、幅広くご相談いただけます。
「お金の安心は、情報の安心から」
FPSでは、これからの時代に必要な“備え”を、
お客様に寄り添う専門家として、一緒に考えてまいります。
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